この前雑誌を見ていたら、上の一枚の絵にとても惹かれたので、今日はそれについて書きたいと思います。
これは田中一村という人が描いた作品なんですが、彼はいわゆる「売り絵」ではなく、身近な世界の写実画を本道として描いていました。しかし、コンクールでは本道と思う絵がなかなか認められず、自分の信じる絵と世間一般に受け入れられる絵が違うことで、かなりの葛藤があったそうです。
そんな状況を打開するため、生命力あふれる自然を求めて四国、九州、紀伊などの南国を旅しました。そして力強い自然あふれる奄美に身を置き、そこで自分の信じる絵を描いていきます。
その中の一つがこの「ビロウ・コンロンカに蝶」という作品です。
当時一村は、二眼レフカメラを愛用していて、モノクロームの階調を写真から学び、それを絵に反映させていたのですが、ただモノクロームで描くのではなく、所々に色をさし、生命力あふれる自然をよりいっそう引き立たせている手法に、絶妙なセンスを感じました。
モノクロームの中に所々ある赤や黄色が、よりいっそう際立って見えて、とても素敵ですよね?
森の中に身を置き、そこで感じる自然の宇宙を描き出すことに命を燃やした田中一村という人物にとても感動しました。
田中一村の作品は奄美にある田中一村記念美術館で見れるそうです。いつか、奄美に行って大自然を直で感じながら彼の絵を見てみたいなぁと思いました!
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